ディアスポラ伝道という働きも覚えていきましょう。
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由紀子さんからお誘いいただきました。OMF宣教師、 ディアスポラ伝道主事の横山好江です。
「ディアスポラ」 は聖書の言葉で「離散の民」。1ペテロ1:1などに登場します。 迫害のゆえに住み慣れた地を離れて生活しなければならなかったク リスチャンに宛ててペトロが書いた手紙です。 グローバル化の現代。ますます増加する「 母国を離れて生活する東アジア人」が、 私が属する部署の働きの対象。今のところ、 働きが展開されているのは中国人、日本人、タイ人、 フィリピン人、インドネシア人です。
イギリスのレディングで奉仕していた頃の話。「 日本にはクリスチャンって居るんですか?」 ひろみさんが真顔で質問してきました。 彼女はワーキングホリディ・ビザで約1年間、 イギリスに滞在している間に、 生まれて初めてクリスチャンに会い、聖書を読むようになり、 教会に行くようになりました。イエス・ キリストを救い主として受け入れる一歩手前のところで帰国を迎え 、その直前にわが家に来られました。 私達夫婦が会ったのは2度目。楽しかったイギリスを離れ、 これから帰る日本では一度も教会に行ったことがない、 聖書も手に取ったことがない人にとって、真剣な問いです。
こういうことは珍しくなく、そのたびに「1%を超えられない」 現状を思わされます。1%の私達が、どうやって99% に届くのか。大きな課題です。 2者の間にはとても大きな壁があります。99%の人達は、 その生活圏、人間関係の中で生活していて、 神様の介入がなければ、その壁を越えることはできません。99% の人達の中から、神様はある人々を取り出して、 外国のクリスチャン環境に置かれるのです。
ひろみさんは帰った先の栃木県で教会に導かれ、 1年半の受洗準備を経て、川で喜びの洗礼を受けました。「 神様に出会うために、私はイギリスに行ったのだ。自分では○○ がやりたいと思って行ったけど、 神様は素晴らしいご計画をお持ちだった。」
キリスト教に関する全てが英語で入っていたひろみさんは、 それを日本語に変換する作業をしなければなりませんでした。 洗礼を受けたいと言って教会に来た人が、 日本語の聖書をもっていない、日本語で祈れない、 日本語のキリスト教用語を知らない、 としたら牧師はどう思うでしょうか。どう対応するでしょうか。 ひろみさんの教会の牧師は寛容で忍耐深い方でした。 イギリスでの話をず~っと語るひろみさんを、 ひたすら受けとめてくれました(半年は続いたらしい)。
どうぞ祈って下さい。
1. 帰国したクリスチャンや求道者が日本でも信仰の歩みを続けられる ように。
2. 日本各地の教会が、寛容、忍耐、知恵をもって帰国者と共に歩み、 主に喜ばれる教会を形成できるように。
3. 学生である帰国者に、 帰国後なるべく早く信仰の友が与えられるように。( クリスチャンを誰も知らないという状況の中で心が萎えてしまって 神様から離れる帰国者がとても多いです。)
4. 海外の日本語集会や留学生伝道には、日本からの助っ人( 短期でも長期でも)が必要です。ひろみさんのような人が「 日本にもクリスチャンがいるんだ!」と分かるため、 そこから信仰の友人ネットワークが始まる、 日本でクリスチャンとして歩むのがどういうことか直接聞ける、 等々。このような助っ人がもっと起こされるように。
興味のある方は、お気軽にご連絡ください。
横山好江
by Yukiko